バイエル全曲の中でも17番は最高傑作の一つに挙げられるでしょう。”バイエルの真価は上巻にあり”と常々申し上げてきましたが、下巻も名曲ぞろいではあります。しかしながら、演奏者の音楽性をより多く注ぎ込めるのは、音並びが簡素ながらも実に洗練されている上巻の各曲ではないでしょうか。しばしば、上巻はつまらないが下巻は楽しいという意見をしばしば耳にしますが、それは作曲者からすると全く意図していないことで、下巻の各曲は上巻で得た音楽性を基に演奏されることを願っているのが、バイエルの楽譜には明確に表れ出ています。
音楽における正統の入り口であるバイエル上巻の理解なくして、下巻やさらに進んだメソード、さらには音楽史上の大家の作品を理解することは不可能である、というのが私の考えです。
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