2007年12月14日

バイエル104番

バイエル終盤より、104番です。今回は下記にバイエルに関してのコラムを掲載いたしましたので、あまりややこしい話はちょっと…という方は読み飛ばしていただき、演奏の再生ボタンをクリックなさってください。

104番はソナタ形式で作られていることをご存知でしょうか。ソナタ形式で作られた曲だからスゴい、ということを話題にしようと思ったのではありません。
バイエルがメソードとして優れている点の一つに、フレーズの表記が挙げられます。バイエルの各曲には、音楽表現上の単位としてのフレーズが明記されています。フレーズの表現方法について、ここでは深く掘り下げませんが、フレーズの周期に基づいて表現された音楽は、とても自然な推進力によって曲が進行していきます。
バイエルは主に二部形式・三部形式で作られた短い曲について、フレーズ表現の方法を学ぶことができる教則本です。「難しい奏法・装飾法を習得することを目的としない」と作曲者自身が述べているので、楽曲の形式についても深入りを避けたのでしょう。その代わり、次のステップへの橋渡しの役目を果たすため、104番にソナタ形式を登場させたと考えられるのです。
バイエルの周到な配慮はこの曲に限ったことではなく、バイエルの内部でもこのような連携が行われています。例えば、57番は74番の予備練習として機能します。楽譜をお持ちの方はぜひご覧になってみてください(原書番号で参照なさってください)。このような例は枚挙に暇がなく、各曲が有機的につながっています。ですから、曲順を入れ替えたりいくつかの曲をカットしてしまうと、バイエルに込められた意図、つまりピアノを学ぶ上での筋道が崩れてしまいかねません。
104番の話に戻ります。この曲はもしかしたら世界最小のピアノソナタと呼べるかもしれません。この曲を学ぶことによって、後に本格的なピアノソナタに取り組むための下準備をすることができるでしょう。特に、ソナタ形式におけるフレーズ周期の読み解きには格好の入門曲です。
前置きが長くなりました。お読み下さった方、どうもありがとうございます。今回の演奏は、私自身が考えるフレーズ周期のとらえ方についての提案です。あくまで一例にすぎませんので、より音楽的な表現が思いついた方はぜひ追求なさって下さい(私にもコッソリ教えてください)。

12/14追記:上記「世界最小のピアノソナタ」の件についてですが、我が師である野村茎一先生の104番についての解説「厳格で整然とした古典ソナタ形式で書かれた、小さなピアノソナタの1楽章」という表現がより適切ですので、こちらに改めさせていただきます。


posted by ジュニア at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 演奏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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